田臥獲得球団は現れず、今後はFAに
サンズを解雇された田臥勇太、ウエーバー期限の22日までに獲得球団は現れなかったというニュース。
(アメリカ時間の21日。まぁちょっと古い話で恐縮ですね、コレ)
先日、MLBカージナルスの田口選手が一旦自由契約となった後に再契約を行い45%減の55万ドルでサインというニュースがありましたが、アメリカのスポーツ界はやはりシビアです。
田口選手の場合「現在の$1milという額が評価より高い(控えの高齢外野手に払いたい金額ではないということでしょうかね)」「協定により20%を超える減俸が出来ない」「カージナルスとの再契約を最優先するという田口の意向」といった事情から今回のような再契約の流れになったわけで、そこには「情」がからんだ要素など一切ナシ、チームの実利と実効性を追い求めたウォルト・ジョケティGMのシビアでクレバーな判断だけが反映されたといえるでしょう。
で、田臥の話。
前にも書いた(よな?)とおり、おそらく獲得チームが現れるとしても1月10日に解禁される10日間契約でってことになるでしょう。
hoopshypeで確認したところ、田臥のサラリーは$98,459ってことになっています。
04-05シーズンのミニマム(最低保障)サラリーは年間$385,277ってことなので、田臥とサンズがどういう契約をしたのか内容がわからないんですが、おそらく保障されていた額が$98,459だったってことなんでしょう。(まあhoopshypeが正しいとも限りませんが、大体その程度という目安にはなるのかな、と。)
解雇された田臥をウェーバーで他チームが獲得すると契約の内容は引き継がれるワケですから、シーズン最後まで雇うと$385,277払わなきゃならんし、途中で解雇しても$98,459前後は払わなきゃならんわけですな。
これは正直チト割高であろう、と、まあ大抵の人は思うでしょうね、サンズでの田臥のプレーを見ると。
そこで10日間契約ってシロモノが出てくるワケです。
10日間契約は文字通り10日間だけ結ばれる契約の事。
1月5日時点でNBAのチームに所属していない全てのFA選手が対象となります。
ポイントは10日間契約のサラリーはミニマムサラリーの額を試合数で割った額という事。
つまり出場機会の少ない選手を1年契約で雇う事を思えば、遥かに「格安」ってことです。
10日間で仮に5試合(ねぇか、そんな過密な日程)あったとしても$23,495程度。
田臥に興味を持つチームがあったとしても、まずは10日間契約で「様子見」でしょう。
いきなりミニマムで契約って事にはなるまいて。
なんたってアチラは払ったサラリーに対する効果って奴にマジで「シビア」ですから。
(まぁ田臥勇太の選手として以外の「商業価値」が認められたのなら、また話は変わってくるんでしょうが…。シビアなだけに利には敏いだろうし。)
ちなみに10日間契約は3回まで結ぶ事ができ、3回目に結んだ際にはシーズンの最後まで契約する事が義務付けられています。
10日間契約というのは、主に怪我やアクシデントで選手の駒が足りなくなったチームの緊急補強策的な使われ方をする契約なので、実はチームから本当に必要とされていないと契約できない類のもの。
そんな厳しい状況下において最初の10日間でチームから認められ2回目、そして3回目と10日間契約を結んでいくことが、「マイナー」からNBAへと這い上がるための数少ない道筋。
田臥にも這い上がってもらいたいなぁ。